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携帯サンド対決! 主流「ランチパック」vs元祖「スナックサンド」

花見日和のこのごろであるが、酒も酒席の乱痴気騒ぎも苦手な私は近所の桜で一人花見。

特に予定をくむでなし、ふらりと思い立ったときに出かけるのであるが、そんなときに重宝するのが“携帯サンドイッチ”だ。具材を挟んだ食パンの四辺を閉じて袋状にしたサンドイッチのことである。山崎製パンの「ランチパック」と言えば「ああ、あれか」と見当がつくだろう。

実際このタイプのサンドイッチは「ランチパック」の独壇場なのであるが、実は“携帯サンドイッチ”を最初に発売したのはフジパンなのだ。

その名も「スナックサンド」。1975年9月15日のことである。ランチパックの発売はそれより9年後の1984年であった。

“携帯サンドイッチ”誕生からちょうど40年目の今年、改めて現在主流である「ランチパック」と元祖“携帯サンドイッチ”「スナックサンド」とを食べ比べてみたいと思う。

見た目はよく似た二つの“携帯サンドイッチ”

見た目はよく似た二つの“携帯サンドイッチ”

今回の食べ比べにあたっては、サンドイッチの定番にして最もベーシックなタマゴフィリングのものを用意させてもらった。ではまずパッケージから見ていこう。

パッケージ

マスコットの名前は“ランチちゃん”と“パックくん”

マスコットの名前は“ランチちゃん”と“パックくん”

まずはヤマザキ「ランチパック」から。卵フィリングだけに黄色を基調としたデザイン、おいしそうな断面を見せたサンドイッチの写真が目をひく。

“たまごフィリングをふんわりパンにサンドしました”というキャッチも見て取れる。たまごとパン、両者に視点を置いているということか。

“元祖”“since 1975”の表示

“元祖”“since 1975”の表示

つぎにフジパン「スナックサンド」。こちらもやはり黄色ベースのデザイン。サンドイッチの断面を見せているところも同じであるが、こちらはフィリングとゆで卵のイメージが加わっている。

キャッチも“ごろっとタマゴでおいしい”とあり、タマゴフィリングのおいしさをアピールしているようだ。

以上パッケージを見た限りでは「ランチパック」はサンドイッチとしてのバランスを、「スナックサンド」はフィリングの味わいを重視している印象だ。

もう一つパッケージで注目すべき点は、どちらも密閉された袋に空気が封入され、物のあいだに挟まれても中のサンドイッチがつぶれにくくしてあるということだ。“携帯サンドイッチ”として、鞄などに入れて持ち歩くことの多いこれらの商品には必須の心遣いである。

食パン

きめ細かくもちもちした薄味のパン

きめ細かくもちもちした薄味のランチパックのパン

次はサンドイッチの土台とも言える食パンを見てみよう。「ランチパック」はきめの細かいパンが四辺でしっかり閉じられ、フィリングがこぼれないようになっている。

やや荒くふかふかした滋味あふれるパン

やや荒くふかふかした滋味あふれるスナックサンドのパン

「スナックサンド」もやはりしっかり閉じられた四辺がフィリングを閉じ込めている。閉じ幅もほとんど変わらないようだ。ただパン自体はやや気泡が深く、きめが粗いように見える。

食べ比べてみると、「ランチパック」のパンは引きのあるもちもちした食感で、味は比較的薄く主張が弱い。一方「スナックサンド」のものはやはり荒めでふかふかした口当たり、塩と小麦の滋味でしっかり“パンの味”がする。

フィリング

黄身がしっかり練り合わされ、卵感たっぷりのフィリング

ランチパックは黄身がしっかり練り合わされ、卵感たっぷりのフィリング

ではいよいよそれぞれを真ん中で二つに切り分け、中のフィリングを確かめる時が来た。

「ランチパック」はフィリングの両脇に隙間があるようだ。厚いシート状に成型したフィリングをパンにはさんで閉じた、という印象を受ける。フィリング自体は黄身とマヨネーズなどが均一に練りあわされ、さいの目に切られた白身が混ぜ込まれたかたちのようだ。

黄身の形が残り、やや薄味のフィリング

スナックサンドは黄身の形が残り、やや薄味のフィリング

一方の「スナックサンド」は、フィリングが隙間なくパンの間に挟みこまれている。

実際には両脇にフィリングが入っていない部分もあるのだが、パン同士が密着しているのでそれほど気にならない。フィリングも「ランチパック」の黄身がしっかり練り合わされていたのに対して、こちらにはまだ形が残っている黄身のオレンジ色が見える。

食べ比べてみるとどちらもなめらかな舌触りの中に白身が食感のアクセントとなっているが、味ははっきり「ランチパック」の方がタマゴの風味が強く味付けも濃い。「スナックサンド」のフィリングが水臭いとかそういうことはないのだが、それだけを比べるとやはり少々見劣りするように思える。

サンドイッチとしては

意外にも……?

意外にも……?

最後にサンドイッチとしてパンとフィリング、一緒に食べてみると「ランチパック」は濃い口のフィリングと薄味のパンという組み合わせでタマゴの味わいを十分に楽しめた。

そして「スナックサンド」はフィリング自体の味わいは物足りなかったものの、主張が強いパンがそれを補い、またきめの荒いところにしっかり密着してよくなじみ、“サンドイッチ”としての一体感あるおいしさだった。

こうしてみるとパッケージのキャッチとは逆に「ランチパック」はフィリングの味わい、「スナックサンド」はサンドイッチとしてのバランスに秀でていると言わざるを得ず、意外な結果に私も驚きを隠せない。

それぞれ好みもあるだろうしどちらが上というものではないが、サンドイッチの四辺を閉じた“携帯サンドイッチ”というよく似た二つの商品、中は意外と違った設計思想の基に作られたものであった。

それでは残った“携帯サンドイッチ”とペットボトルの紅茶を持って出かけるとしよう。タマゴサンドをかじりながら、ぶらぶら歩き花見というのも悪くない。行儀が悪いのは春の陽気に免じて欲しい。


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